経理派遣はどこまで任せられる?できる業務・NG業務・他サービスとの違いを徹底解説

1. はじめに

経理に派遣を使おうとしたとき、多くの企業が最初につまずくのが
「派遣にどこまで任せていいのか分からない」
という点です。

「仕訳入力は任せてもいい?」
「支払い処理まで任せるのは安全?」
「決算や税務はさすがに無理?」

──こんな疑問を抱く企業は非常に多いです。

実は、経理派遣の“できる業務”と“できない業務”は、
法律による制限と、会社ごとのルール・権限設定
の2つで線引きされています。

この記事では、経理派遣で任せられる業務の範囲を、法律・実務の両面から分かりやすく整理します。


2. 経理派遣で「任せられる業務」の全体像

まず、経理派遣が一般的に担当できる業務をまとめると以下の通りです。

●仕訳入力(会計ソフトへの入力)

日々の仕訳入力は最も得意とする領域です。

※経験者なら月次の一次締めまで可能。

●売掛・買掛管理

入金消込、未入金チェック、請求書発行、支払予定表の作成など。
業務フローが整っている企業ほど効果的です。

●支払い処理の補助

ネットバンキングの振込データ作成や金額入力など。
ただし、最終承認は社内担当者が行う必要があります

●請求書・領収書管理

請求書作成、郵送対応、PDF化、データ整理。

●経費精算チェック

領収書の突き合わせ、科目判断、承認フローのサポート。

●月次の一次締め

残高チェック、各種データの集計、補助資料作成など。
最終的な判断は社員側に残りますが、負担を大きく減らせます。

●庶務系の事務作業

ファイリング、郵送物管理、銀行への記帳など、一般事務寄りの作業も対応可能です。


3. 経理派遣で「注意が必要」な業務

一方で、経理の派遣でできない業務もあります。
資料の作成自体は可能ですが、承認や最終判断は本社でする必要があります。

●(1)決算書の作成

派遣ができるのは、決算書の仮作成までです。
決算の最終判断は社内責任者または税理士が行う必要があります。

●(2)税務申告書の作成

法人税・消費税・償却資産税など、税務署へ提出する書類の作成を任せることはできますが、責任を持たせることはできません。

●(3)社会保険手続きの判断業務

書類準備・データ整理など“補助”は可能。
「このケースはどの保険料が適用?」といった判断を伴う手続きを任せるのは注意しましょう。

●(4)経営判断が絡む資料作成

こちらも資料作成などの補助は可能です。

ただし、経営指標の分析、利益予測、資金繰り表の最終版の作成など、
会社の意思決定に直結する業務を任せるのはリスクがあります。

●(5)最終承認行為

ネットバンキングの振込承認、経費精算の最終承認、給与の確定など。


4. 「できる」「できない」が企業で違う理由

ネットを見ると「派遣は支払いできません」と書いてある一方で、
別のサイトでは「問題なく任せられます」と書かれており、混乱を招くことがあります。

この差は、多くの場合 企業側のルールや権限設定の違い によるものです。

●(1)権限の設定

振込データの作成まではOKにする企業もあれば、
「触ってほしくない」と完全禁止にする企業もあります。

●(2)会計ソフトの権限付与

承認権限を渡すのか、入力権限だけにするのかで、任せられる範囲は大きく変わります。

●(3)社内ルールの程度

上場企業や大企業ほど厳格で、派遣ができる範囲が限定されます。

●(4)派遣スタッフのスキル差

実務3年と実務10年でできることは大きく違います。
“派遣だから”ではなく“人による”部分が多いのも事実です。


5. 正社員・パート・派遣・経理代行の違い

経理派遣の「どこまで」を理解するには、他の選択肢との違いも押さえておくとスッキリします。

▼正社員

  • 判断業務まで含めて担当できる
  • 業務改善・仕組みづくりが得意
  • 長期的な経理基盤づくりに向いている

▼パート

  • 定型業務中心
  • スキル・経験はバラつきあり
  • コストは抑えめだが、業務幅は広くない

▼派遣

  • 決められた範囲を正確にこなすのが得意
  • 経理経験者なら高い即戦力性
  • 判断行為・承認を任せる場合は細心の注意が必要

▼経理代行(外注)

  • 決算・申告など判断行為まで任せられる
  • 月次改善、内部統制整備にも対応できる
  • プロに丸ごと任せたい場合に最適


6. 経理派遣が向いている会社

  • 入力業務が多く、人手さえいれば回る
  • 経理フローが整っている
  • 正社員が退職・産休などで一時的に人手が足りない
  • 人材のミスマッチを最小限に抑えたい
  • 採用までの「つなぎ」を確保したい


7. 経理派遣が向かないケース

  • 決算を丸ごと任せたい
  • 税務・財務の判断が必要な業務が多い
  • 経理の仕組みが混乱している(属人化・やり方がバラバラ)
  • 社内に承認権限者が不在
    → こうした場合は派遣より経理代行の方が適しています。


8. 派遣に任せられる範囲を“最大化”するポイント

派遣の実力を最大限に発揮してもらうためには、
企業側の準備も重要です。

●業務フローを明確にする

誰が何を承認するのか曖昧だと、派遣は動きにくいです。

●役割分担を初期に決める

作業表(ToDo表)を最初に作るとミスが激減します。

●権限設定をはっきりさせる

入力権限/下書き権限/承認権限を明確化。

●口頭ではなく“見える化”した指示

派遣は「指揮命令」のもとで働くため、指示が明確な企業ほど生産性が上がります。


よくある質問(FAQ)

Q1:派遣にネットバンキングを触らせてもいい?

→ 振込データの作成までならOK。
最終承認は会社側に必要。

Q2:年末調整は任せられる?

→ データ整理・控除証明書チェックは可能。
判断を伴う部分は社員側か社労士へ任せた方が安心です。

Q3:決算補助は頼める?

→ 補助(資料作成・残高チェック)は可能。
最終判断は注意しましょう。

Q4:派遣にマネジメントを任せてもいい?

→ 人事権や判断が絡むため不向き。

Q5:派遣と経理代行、どちらが安い?

→ 業務内容による。
入力作業だけなら派遣、判断業務までなら代行が安くなるケースが多い。


10. まとめ:派遣は「実務の担い手」、判断は「社内 or 専門家」

経理派遣は、仕訳入力・売掛買掛管理・支払い処理の補助など
実務をスピーディに進める効果が非常に大きい一方、
決算・税務などの判断業務は任せられないという明確な線引きがあります。

経理の業務を分解し、
「実務:派遣」「判断:社内 or 専門家」
と整理できた企業ほど、派遣を最も効果的に活用できます。

「派遣でどこまで任せるべきか」迷う企業さまへ

経理派遣の範囲は企業ごとに違います。
当社では 経理10年以上の経験を持つ担当者 が、
現在の経理フローをヒアリングしたうえで、最適な切り分けをご提案します。

必要に応じて、税理士が判断業務の相談にも対応します。

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